くるみ通信31号(2008.08)掲載分

 私たちがくるみを知ったのは、毎日のように通っていた自然食品店の方からお話を聞いたからです。当時、私はとある園に息子を入園させようと考えていたのですが、他府県に行かなければならず、二人目を妊娠中でしたが、泣く泣くあきらめようとしていた矢先、近くにその園とよく似た保育をしているところがあると知り、早速嫌がる夫を引き連れて体験保育に参加しました。
 初めてのくるみの感想は、私は「いい所だな」、夫は「野生の王国やな…」でした。私は、学生時代に何度かインドに留学していて、現地の子どもたちと一緒に生活したりして接する機会が多くあったのですが、彼らの逞しさ、生命力の強さを実感していて「何か分からんけど、とっても人間らしくていいなぁ」と思っていました。そして、帰国してすぐに教職課程での教育実習で日本の子どもたちを見てみると「これでいいんかなぁ、何か違うなぁ、何か足りないなぁ」と感じました。なるほどインドの子どもたちより裕福で食べ物も着る物も何でも不自由せずにあってとっても恵まれているのですが、「何か」足りない。くるみにはその「何か」があるのだと直感しました。
 実際に息子を入園させてみると、毎日のびのびと自然の中で自然を感じながら幼児期を十分に満喫しているようなのでうれしく思います。子どもをくるみに行かせたから「変わった!」ということは全くありませんし、くるみには最新の設備もありません。その上不便なことが多々ありますが、その代わりに私たちが忘れていた「生活」というものが生きています。
 当初は、「超」がつくほどキレイ好きで流行の最先端をこよなく愛する夫は、なかなかくるみを受け入れることができなかったようですが、園児たちを見たり親子で一緒にくるみで活動することにより、今では親子リズムがない月になると涙するくらいまでくるみのファンになりました。わが家で入園してから変わったことは一つ、子どもが変わったのではなく、親が変わったということです。私たちは「ハイテク夫」と「年々アナログ化していく嫁」という全く正反対のベクトルを持つ夫婦でしたが、くるみを通して同じ価値観を共有できるようになりました。今では、とても協力的な夫になり子育てがとってもやりやすくなりました。拍手を贈るべきはそこまで変わってくれた夫にだと思っています。 
 やっぱりくるみには「何か」があるのだ、私の直感は正しかったのだと思います。その「何か」は人によって違うとは思いますが…。くるみは大変なことも多いけどそこから得られるものも多い。本当にこの園に出会えて一緒に子育てができてよかったなと思います。「人間らしさ」とは何か「生活・働くこと」とは何かを考え、体験できるこの保育は素晴らしいと思います。私の愛する二人の息子は、ここでの体験を下に自分の力で考え、自分の力で動ける逞しい「人間」になってもらいたいと願っています。